2017年秋クールの深夜ドラマでも高クオリティの内容で徐々に注目を集めてきた『わにとかげぎす』の最終話(第10回)がついに放送され、完結となりました。


こちらの記事では、『わにとかげぎす』第10話(最終話)のネタバレ多少含む感想をご紹介いたします。
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『わにとかげぎす』第10話(最終話)のネタバレ多少含む感想は?
ピンチの訪れ
富岡(有田哲平)の人助けにより、不良グループの恨みを買ってしまい、命の危険を感じて仕事を辞めて逃亡することに…彼女である羽田(本田翼)もラインで写真が拡散されて拉致を計画されてしまいます。
逃亡途中に聞いた尾崎世界観さんのラジオの内容はこちら。
・夢の中で撃たれた。脳が銃で撃たれたと意識すると本当に死んじゃうんだって。
・プラシーボ効果で、薬も信じれば砂糖水も効いてしまうらしい
・人なんて気持ち一つでどうにでもなるよね。
置手紙を残して消えた富岡を探し回る羽田…それを見かけた不良グループの吉くん(稲葉友)が羽田を捕まえようと追いかけるとそこへ車が!
吉くんははねられ瀕死の状態のところへ、東金(村上淳)が降りてきて「お前が遅いからこっちが先に見つけちゃったじゃねーか」というのでした。
後ろに富岡が逃がしたはずの外国人女性が捕まっています…吉くんもきっとこの後助からなかったのではないでしょうか。
そして東金は、吉くんのポケットから富岡の似顔絵のメモを見つけるのでした。
以前、同僚だった雨川(吉村界人)と花林(賀来賢人)が、東金のマンションの金庫を盗んだ時に富岡の顔が割れているので、ピンと来たのかもしれませんが、つくづく怖い人たちの周辺に巻き込まれる富岡の人生が不憫すぎます…。
富岡は、命を助けたホームレスのおやじ(光石研)と再会を果たし感涙、おやじも「恩を返させてくれ」と感謝を述べました。
「彼女を幸せにできないから別れる」という富岡に「勝手に身を引こうってのか?社会が厳しい?相手のためにならない?そんな状況ひっくり返してやればいい!DO or DIEだよ!」とかっこよく言うのですが、セリフにオヤジのオナラがモロ被り!!
怖い人たちが最後に本領発揮してきてスリルとバイオレンスの多い最終回で、有田さんと光石研さんのこのシーンは癒しとなり最高でしたね。
「おれが幸せにするとビシッと言ってやれ!」と促されて羽田に電話をした富岡は、お互いに話したいことがある、とまた会う約束をします。
羽田の想い
再会した羽田は、「大きな賞を獲れ小説家デビューできた」ことを伝え、「私が富岡さんを幸せにします!」といい、二人はアパートを引き払い遠くの町で同棲を始めるのでした。
一緒に隣で横になって「こう見えて、生まれて今まで一番うれしいです」と幸せをかみしめる富岡…。
一方、借金取りに追われるも余裕をかましていた羽田の元カレ・灰野はいよいよチェーンソーで脅されて命の危険を感じ、さらに語気を強くして電話で「小説家の夢をパーにされたくなかったら、明日の朝200万を駅前のコンビニにもってこい」と言います。
富岡はそれを聞いてしまい、「羽田さんは大切な恋人であり、ともだちです。元気がないのは寂しい」と心配して、羽田が止めるのをよそに翌日コンビニへ。
ドキドキして立ち読みをしているふりをするとそこへやってきたのは灰野の彼女(emma)。
・動画データは、私がムカついて全部消した。
・昨日から、灰野と連絡が取れていない。
・警察にはいわないで、これから沖縄でやり直すつもり、もう行ってください。
と言って、頭を下げて出ていく彼女を見届け、安心してへなへなと座り込む富岡。
映像が切り替わると、灰野と思われる人物が海に浮いていましたね…。
富岡が音を立てないようにして家に帰ってくると、羽田がカンカンに激怒し「自分に正直なのはいいことだけど、それってワガママじゃないですか」「殴らせてください!」といい、パンチをするかと見せかけて、強く抱きしめます。
「私だって怖いですよ、富岡さんがいなくなったりしたら…」と泣き出す羽田を、富岡も強く強く抱きしめ返すのでした。
決して弱音を吐かず、涙を見せず、いつもネガティブな富岡を明るく前向きに励まし続けてきた羽田の初めて語る想い、抱きしめ返す富岡の表情に泣けてくるシーンでした。
お互いを本当に大切に想っている素敵な二人です…。
東金に見つかる…ラストへ
レンタルビデオ屋でバイトを始めた富岡、仕事終わりについに東金とすれ違い「あれ?あいつ…」と見つかってしまいます。
ここで、第1話冒頭での富岡の遺体のシーンと共に心の声が流れます。
自分のことを誰よりわかってくれる、特別な人ができた。
自分が人生を見てくれている証人、それがいるのといないのでは大違い。
もし羽田さんと出会ってなかったら、いつくるかわからない自分の死を誰も気づかなかったかもしれない。
富岡は自分がごみ袋の中で誰にも気が付かれず死んでいるのを、ふと立ち止まり想像しているのでした。
どんどん近づいてくる東金でしたが、富岡が渡った横断歩道が赤に変わり交差点で立ち止まると「まいっか、めんどくせっ。」と似顔絵のメモを投げ捨てて去っていきました。
そしてマンションでは、仕事中の羽田がふと窓の外を見て「わたしも富岡さんみたいに寂しいときは寂しいって言える人間になりたい。」といいます。
富岡がふとマンションを見上げると、窓から「お帰りなさーい!」と笑顔で手を振る羽田の姿が見え、「ただいまー!」と大きく手を振り返すのでした。
「もう大丈夫、おれは孤独じゃない。」
ぼこぼこぼこ…とリュウグウノツカイのような深海魚の影が浮上していくシルエットとともに、『わにとかげぎす 完』の文字が浮かび上がりドラマは幕を閉じました。
ドラマ『わにとかげぎす』第9話(前回)感想とネタバレはこちら
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ドラマ『わにとかげぎす』ラストを考察!
古谷実さんの原作漫画『わにとかげぎす』では、ネタバレになりますが最後に「富岡の遺体」と思われるシーンが現れ、これは夢なのか事実なのか、犯人もわからないまま終わります。
ドラマ判では「富岡の遺体シーン」は脳内の回想であり、いろんな運が重なって殺されずに済んだと思われる、ハッピーエンドと思われるラストでした。
第1話冒頭で死を示唆するシーンを持ってきて、2017年秋ドラマ『ごめん、愛してる』と同じく先に結末を見せるパターンかと完全に誘導されていましたので、まんまとやられましたね!
でもこの脚本と演出があったからこそ、より羽田と富岡の幸せそうなシーンが刹那的で哀しく感じて温かさや深みを出していたように思います。

ハッピーエンドとは違う見方なんだけど…。
富岡がごみ袋に囲まれて冷たくなっている映像で、カラスよけのCDがカチャカチャとなっていましたが、その音でした。
もしあの音がいわゆる死を知らせる「虫の知らせ」だったとしたら、実は本当の現実では富岡はやはり東金に命を奪われていて、そのあとのマンションの外で手を振り合うシーンは死に行く富岡の脳内の映像だったという見方もできます。
こちらであれば悲しすぎますが、東金があきらめるシーンにリアリティがあるのでその可能性は低いでしょうね。
「人なんて気持ち一つでどうにでもなる。」「Do or Dieだ(やるか、死ぬか)」
最終話で出てきたこのセリフが、夜空に「友達がほしい」の願ってから起きたこれまでの富岡の波瀾な人生を象徴しているようです。
怖い人たちがうようよいる中を、友達や恋人のために、やるか死ぬかで奮闘してきた富岡だからこそ、いろんな偶然が富岡と羽田を最後に救ってくれたのかもしれません。
また、原作漫画の最後第4巻の表紙には、リュウグウノツカイが海へ潜っているように描かれているのですが、ドラマではラストに光のほうへ浮上していましたので、この深海魚が対照的に描かれているのも面白いポイントでした。
富岡と羽田を救った二人のジョーカー
これまでジョーカーのように切札となって多くの人を助けてきた富岡に、最終話で現れ手を差し伸べた二人…それはホームレスのおやじと、灰野の彼女でしたね。
おやじと偶然再会していなかったら、羽田に連絡をせずにもう会うことはなく、一人で生きて一人で死んでいたのかもしれません。
そして灰野の彼女は、好きな人が元カノの盗撮映像をダシに脅迫していたことが嫌だったのでしょう…動画を全部消した時点で、もう灰野が生きていられる見込みはないと思うのですが。
二人で沖縄に逃げることにしたのは本当だったのか、それとももう灰野の命はないと分かった上での行動だったのかは、定かではありません。
データを消したことで金が返済できる見込みが減ったことから、借金取りたちに恨まれてたので逃げていく、とも予想できます。
けれどこの行動が、羽田の小説家としての夢を守ってくれ、脅迫におびえなくても良い毎日を送れるようになりました。
また今回、「なぞかん」という自動販売機の何が出てくるかわからないボタンでドリンクを買うシーンがあり、「ミステリーゾーン」などの名称があるのですが、おしることかあまり売れない商品が出てくる確率の高い遊び心あるボタン。
富岡は「コーラ」が出てきたり、願ったとおりの「コーヒー」が出てきて驚いていて、「最弱」な富岡ですが、富岡の持つ強運や、願いが叶う力をここで表していたのかなと感じます。

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『逃げ恥』との共通点は
多くのオスのセミは孤独に生まれて誰とも交わらず死んでいくというのが『わにとかげぎす』第1話の尾崎世界観さんのラジオでしたね。
ずっと一人で生きてきた富岡は、かけがえのない羽田という人ができますが、ずっと「いつかいなくなってしまう」と不安のままでした。
最後の「大丈夫。もう、孤独じゃない」という言葉は、ラジオで言っていた「気持ちひとつでどうにでもなる」と自分の脳へ言い聞かせているようなセリフにも聞こえます。
人生を浮上させることができるかどうかは、自分の心次第で、「孤独だ」「不幸だ」ばかり思っていると本当にそうなっていたのかもしれませんが、寂しい気持ちを認めて、「友達がほしい」と自分を変えようとしたその時から、人生はいい方向に変わっていったのですね。(スリル満点すぎますが)
『逃げ恥』と『わにとがげぎす』では同じプロデューサーの方が関わっているのですが、両方の作品に共通するのが、「人と関わることは、めんどくさいこともあるけど、やっぱりいいな」ということのように感じます。
どこかでいつも孤独感を抱えている人や、傷ついてしばらく一人でゆっくり休んでいた人に、少し光を与えてくれるようなドラマだったように思います。
スタッフさん、キャストの方、最後のTBS水曜深夜ドラマ枠を飾るにふさわしい、素晴らしい作品でした!!
古谷実さんの作品の実写化にはまたぜひのこのスタッフさんたちにお願いしたいです…!


富岡、羽田コンビがもう見られないのが寂しいー!
『わにとかげぎす』第10話(最終話)の視聴者の感想は?

調べてみたよ!
『わにとかげぎす』完走!とってもよかった!主人公たち以外では本当に悲惨なことばかりだったのにこの暖かい気持ちは何だ?羽田さんが警備員室を開けたときや追われてたとき、富岡さんが付けられたとき、祈ったし、祈りが通じたときは神様ありがとう!という気分になるドラマでした。
— トオボエ (@toboe1202) 2017年9月27日
わにとかげぎす 、最高の終わり方でした。今期ナンバーワンでした。
— 寺内 ハルカ (@bakarakuda9646) 2017年9月28日
第1話の富岡さんが脳裏にちらついていたから、最終回もずっとハラハラ状態だった。
ここまで「何事もない」ことに安堵させられるとは…笑今期最高のドラマでした。#わにとかげぎす
— 迷えるオオカミ (@t_t1789) 2017年9月27日
今夜もこれでもか!って感じで衝撃的な場面におろおろ。最後の最後にどデカイ物がくると身構えてみてたけど、深海魚のように地底をさまよっていた富岡に一筋の光が差してなんだかとっても嬉しくなった最終回だった。#わにとかげぎす
— 咲りんりん (@_saki_rin_rin) 2017年9月27日
わにとかげきす、最終回で何か起こりそう起こりそうって煽っといて何も起こらないって有田哲平の芸風まんまで面白い。笑
— 小野寺芯 (@kakusolo) 2017年9月27日

わたしも今期ナンバーワンだと思うわ!
主題歌のTOKIOの『クモ』では「明日」という言葉が出てくるけど、富岡にまた羽田ちゃんとと一緒に過ごせる明日がくるのが本当に良かったわーー!!
『わにとかげぎす』見逃し動画を無料で見る方法は?
ドラマ『わにとかげぎす』は放送終了後、Huluで見逃し動画配信がスタートします。
Huluは2週間のトライアル期間があり、全作品が無料で見放題です。
最近のドラマでは
- 獣になれない私たち
- ブラックスキャンダル
- ドロ系
- 今日から俺は!!
- 高嶺の花
- サバイバル・ウェディング
- ゼロ 一攫千金ゲーム
- 正義のセ
- Missデビル
- 崖っぷちホテル!
などが見放題となっています。
もちろん、無料トライアル期間に解約をすれば料金は一切かかりません。
※紹介している情報は2017年9月時点のものです。配信作品の状況が変わっている可能性もありますので、詳細は公式ホームページにてご確認ください。
まとめ
『わにとかげぎす』第10話(最終話)のネタバレ多少含む感想をご紹介いたしました。


バイオレンスな内容も多いんだけど、毎回ひとつひとつが本当に丁寧に描かれていて、愛情もあって本当にいいドラマ!
新進気鋭の若手キャストもたくさん出演しているので見どころも満載よー!
ドラマ『わにとかげぎす』第9話(前回)感想とネタバレはこちら
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最後まで面白かったなあ。