貴族探偵対女探偵ネタバレと感想!相葉雅紀主演月9ドラマ原作小説!

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  • この記事を書いた人:Ryota

こちらの記事では小説『貴族探偵対女探偵』のネタバレと感想をご紹介しています。

ドラマ『貴族探偵』のネタバレと感想については以下の記事を随時更新していますので、是非ご覧ください。

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『貴族探偵対女探偵』原作小説 第1話「白きを見れば」ネタバレ

ネタバレを読む前に『貴族探偵対女探偵』原作小説のあらすじをチェックしたい方は以下の記事をどうぞ!

『貴族探偵対女探偵』原作小説の全話あらすじはこちら

停電

愛香は、地下室からリビングへと場所を移した一同に被害者が殺された理由に心当たりがないか尋ねます。しかし、誰も何の反応も示しません。

仕方なく話題を変え、最後に被害者を見たのは誰かを尋ねると、答えたのは畦野という男でした。

この山荘での部屋割りは、畦野(角刈り)と笹部(被害者)の男同士相部屋、朱美(狐目)と千明(銀縁眼鏡)の女同士の相部屋、残る一つを亀井という口髭の男が使っていたのだとか。(紗知はリビングの奥にある部屋を使用)

ということで、被害者と相部屋だった畦野が必然的に最後の目撃者になったようです。彼が言うには、10時ごろリビングで宴会が始まり、千明と彼氏の亀井が1時過ぎ、1時半に被害者がそれぞれ自室へ戻ったとのこと。

畦野が戻ったのは2時前で、すでに寝ていた被害者を最後に見たのがこの時のようでした。となると、被害者は3時以降に何者かに呼び出されたことになります。

時間帯が大方特定できたため、愛香はそれぞれにアリバイを確認することにしました。

その時、「つまりこの中に犯人がいるわけだ」と亀井がつぶやきます。皆の神経を逆撫でするようなことは言わないでと愛香が諫めるも、彼はさらに続けます。

どこかの誰かが忍び込んだとして、なぜ紗知に罪を着せるような真似をするのかと。彼のいうことは確かに正論で、愛香も同意見でした。

そのことを皆に伝え、殺された笹部のためにも協力して欲しい旨を訴える愛香。彼女の真摯な態度が伝わったのか、犯人扱いされていることに憤りを隠せなかった朱美がアリバイについて話し始めます。

畦野がリビングから引き上げて十数分後に朱美が部屋に戻った時、千明はちょうど寝る所で、ほどなくして彼女も就寝したそう。

しかし、突然の落雷で千明と共に目を覚まし、付けたままにしていた電気スタンドが消えていたことから、停電になっていることに気付いたのだとか。

一方の紗知も落雷には気付いていたようですが、男性陣二人は熟睡していたのか全く知らなかったようでした。

朱美は落雷の瞬間に時計を見ていたために正確な時間を覚えており、停電の時間は深夜3時半頃から10分程度だっと断言します。

愛香がはじき出した犯行時刻は3時から4時の間だったので、何か物音がしなかったかと尋ねましたが、朱美も千明も何も聞いていないようで、その後ぐっすり寝たようでした。

物置小屋

凶器に見覚えがないかと皆に尋ねた所、紗知がもしかしたら外の物置小屋にあったものかもしれないと自信なさげに話しました。

掃除道具やら何やらガラクタがいっぱい詰まっているようで、大したものも入っていないため鍵もされていないのだとか。

中を確認するため、愛香は紗知を連れて山荘から数十m離れた物置小屋へと向かいます。

外へ行くついでに裏口周辺の状態を確認した愛香。足跡がないかどうかを確かめたかったのです。そこには何の跡も残されておらず、きれいな白雪が残っていました。

いつから雪が降っていたのかを紗知に尋ねると、夜の8時くらいに降り始めて12時くらいには止んだとのこと。それは同時に外部犯の可能性が消えたということを意味しています。

そうして物置小屋に辿り着いた2人。入り口は巻き上げ式のシャッターになっており、念の為取っ手部分をペンライトで確認する愛香。

そこにあったのは恐らく手袋をはめて掴んだであろうという痕でしたが、なぜか右手のものしか残されていませんでした。しかし現時点ではその理由が判別できません。

とりあえずそのことは脇に置いておいて中を確認すると、床には真新しい足跡と凶器と同じような鉄パイプが数本立てかけられていました。やはり凶器はここから持ち出したようです。

謎の男:亀井

愛香がリビングへと戻ると、亀井と千明が仲睦まじく身を寄せ合っている様子が伺えました。

戻ってきた愛香に「何か見つかりましたか?女探偵さん」と声を掛けた亀井。愛香は“女探偵”と呼ばれることを嫌っていました。探偵に性別など関係ないのです。

怒りの感情を何とか押しとどめ、亀井に他の2人はどこにいるのか尋ねると、彼らは2階に戻ったとのことでした。

すると愛香が亀井の指に巻かれた絆創膏に気付きます。どうしたのか聞いてみると、昨日紗知と千明とで滝を見に行った時に枝に引っかかれてしまったと亀井。

良い機会だと亀井についての詳細を聞き出そうとした愛香でしたが、警察が来たら話すから君に教える必要はないとぴしゃりと跳ね除けられました。

雷鳴

その後、愛香が紗知の部屋で2人きりになり、本当に笹部が殺された理由について心当たりはないのかと改めて問い質します。

すると紗知は口ごもりながらも答えてくれました。彼女によると、半年ほど前から交際していた畦野と朱美の間に、笹部が何やら横槍を入れていたらしいのです。

笹部は朱美に対しかなりしつこく迫り、ストーカーのような状態になってしまい、朱美も畦野も彼のことを相当嫌っていたのだとか。

これで動機は見つかったと思った愛香。彼女は気になっていたコートのボタンについても紗知に尋ねます。

紗知が最後に着たのは昨日の朝(亀井と千明と滝を見に行った時)で、最初は羽織っていこうかと思っていたが、思いのほか暖かかったので着るのを止めたのだとか。しかし、その時にはちゃんとボタンはついていたそう。

その後一度だけ夕方の4時頃に畦野と買い出しに出かけたが、その時もコートは羽織っていなかったということだったので、犯人がボタンを盗める機会としては朝と夕方の2回だけということになります。

滝へ行くことも買い出しに行くことも全員が知っていたことのようなので、愛香はなかなか犯人が絞れずにいました。

彼女は必死で頭を働かせ推理を巡らせていました。その時!窓の外で轟いた雷鳴が愛香に答えをもたらしてくれたのです。

愛香の推理

犯人が解ったと言って皆をリビングに集めた愛香。その様子を携帯電話で通話しながらニヤニヤした表情で眺めていた亀井。彼女は、皆の理解を促すため慎重に言葉を選びながら推理を披露していきます。

彼女がまず疑問に思っていたのは、地下室にあった血だまりをスリッパで踏みつけた痕でした。なぜ犯人はそんな状況に陥ったのでしょうか。

その答えが、ずばり停電にありました。犯人は殺害後に停電に遭ったために慌てて逃げたしたのです。地下室も階段も電気がつけっ放しだったことがそれを証明しています。

このことから停電時に一緒にいた朱美と千明にはアリバイがあるため容疑者から外され、さらには地下室でも説明した通り、身長の点から紗知も除外されました。

そこでさらなる疑問点であるコートのボタンがいつ盗まれたのかということが重要になってきます。コートを着る確率とすれば午前中よりもむしろ夕方の方が高いはずというのが一般的な見方。

ということは、午前中にもしボタンを盗んだとしたならば、夕方の買い出し時にコートを羽織った時に気付かれる恐れが高まってしまうのです(結果としては羽織らなかったが)。

となると盗まれたのは夕方の外出時ということになり、紗知に同行していた畦野は犯人ではないということになります。

そうして残ったのは、亀井ただ一人でした。あなたが犯人だと愛香が指摘しても、全く動じない亀井。彼はまだ携帯電話を手にした状態のままでした。

亀井はおもむろに電話を口に当て、「よりによって私が犯人だとほざいているよ」と電話の向こうの誰かに伝えました。それに対し「はい」という言葉が返ってきます。

何が何だか分からない状態に戸惑う愛香。すぐ来るようにと言って電話を切った亀井が口火を切ります。

「私の名は貴族探偵。“亀井”という名は文字通り“仮名”に過ぎない」

その言葉に驚きを隠せない一同。例え探偵だからといって犯人ではないことにはならないという愛香に対し、私が事件を解決すると貴族探偵。

その時!プロペラの轟音が辺り一帯に響き渡りました。外を見るとヘリコプターが庭へと着陸し、中からモーニングを纏った中年の男が降りてきます。

山荘内へと入ってきたこの男は自らを山本と名乗り、貴族探偵の執事だと皆に告げました。されにこれから彼が推理を披露するというのです。

山本の推理

どうしてこの人が推理するのと貴族探偵に食って掛かる愛香。それに対し何のために使用人がいると思っているのだと貴族探偵。君の推理も大人しく聞いていたのだから、今度はこちらの番だと彼女を嗜めると、愛香は大人しく引き下がりました。

山本は、愛香の推理は良い線までいっていたと切り出します。しかし、なぜシャッターに右手の痕だけが残っていたのかを分かっていないというのです。

犯人は根本的な理由で左手を使えなかったのであり、手に持っていたものを手放せなかったのだろうと山本は推理しました。

それはずばり、傘でした。一昨日の夜降っていた雨のために差していた傘を手放せなかったことが原因だったのです。となると昨日来た貴族探偵は容疑者ではありません。

当然外部犯でもないと山本は続けます。全ての条件が当てはまる人間が一人だけいるのです。それは被害者の笹部でした。

山本はこう疑問を投げかけます。もし被害者が殺害計画を実行しようとしたときに反撃されたとしたら、と。

愛香は山本の推理の終着点に気付き、敗北を認めたように唇を嚙み締めます。

被害者が手袋をはめていたこと、井戸の蓋を開けていたことなど、その他諸々が被害者の犯行計画を物語っていました。

もし停電があったとしても後から細工をすれば済む話なのに、それをしなかったということはつまり、犯人には計画性などなかったことを意味しており、だからこそ、血だまりの上に慌てて逃げたような痕が残っていたということなのです。

スリッパの痕は来客用のものだったので紗知は除外され、停電時に事件が起こったことには変わりはないので朱美と千明も犯人ではありません。

残ったのは…そう、畦野しかいませんでした。観念したかのように膝をついた畦野。

こうして事件は解決しましたが、愛香の胸中は複雑でした。自分がミスを犯したことは認めつつも、推理をしないくせに探偵を名乗っていた貴族探偵のことが許せなかったのです。

そんな愛香に対し、貴族探偵はこう言い残して去っていきました。「事件を解決できない者は探偵ではない」と。

『貴族探偵対女探偵』原作小説 第1話「白きを見れば」感想

女探偵(本人はそう呼ばれるのを嫌っている)高徳愛香が初登場する『貴族探偵対女探偵』の第1話「白きを見れば」は、山荘内で殺人事件が起きて、なおかつ警察は来られないという古典的なミステリ仕立てになっております。

そういった古典的な設定ながらも、被害者が実は犯行計画を練っていて返り討ちにあったという斬新な結末にはいつもながら驚嘆するばかりです。

貴族探偵は亀井という名(“仮名”を意味する)で山荘内に最初から登場しているのですが、前作『貴族探偵』をご存知の方でしたらすぐに彼の存在に気付いたことでしょう。

ただ今回の貴族探偵の立ち位置は少し違って、一人捜査に奮闘する愛香をニヤニヤと嘲笑うかのように観察しつつも、どこか彼女を温かく応援するように見守っているといった雰囲気が所々垣間見え、『貴族探偵』の時とはまた違った面白さを味わえますね。

愛香が貴族探偵の姿に師匠の姿をダブらせる瞬間もあるなど、師匠を亡くした彼女にとっての導師的役割も担っていくような気もしますが、予想のつかない貴族探偵のことですから、まだまだ良く分からないことでいっぱいです。

ちなみにドラマで愛香を演じるのは武井咲。愛香の冷静で負けん気の強い性格は彼女にピッタリ当てはまりそうで、きっとハマり役になること間違いなしでしょう!

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『貴族探偵対女探偵』原作小説 第2話「色に出でにけり」ネタバレ

ネタバレを読む前に『貴族探偵対女探偵』原作小説のあらすじをチェックしたい方は以下の記事をどうぞ!

『貴族探偵対女探偵』原作小説の全話あらすじはこちら

中妻のアリバイ

警察がやってきたのは、死体発見からおよそ15分後のこと。出掛けていた豊もここに戻ってくるのだとか。

アルコールの影響もあってかリビングのソファでいつの間にかうたた寝してしまった中妻。彼が目を覚ますと依子が直球の質問をぶつけてきました。あなたが殺したんじゃないわよね、と。

即座に否定する中妻。というよりも自殺ではないのかと驚いている様子でした。遺書も見つかったということだしと言葉を継ぐ彼に、事情が変わったようだと依子。

警察によると遺書は携帯のメモ帳に記されていたようで、ロックも掛かっておらず誰でもいじれた状態だったのだとか。

もっと決定的だったのは、白いタオルで首を吊っていたのにも関わらず、首についていた繊維は水色のタオルのものだったのだそう。彼の手帳もなくなっており、他殺であることは明らかでした。

しかもアリバイがないのは中妻ただ一人だけなのだとか。彼が9時30分頃にトイレに行くと2階に上がっていったその時に殺人が行われたのではないかと警察は疑っていたのです。

女探偵登場

翌朝、高徳愛香が依子から連絡をもらった時、彼女のことをすぐに思い出しました。3年前、師匠の助手としてあたった事件の関係者が依子だったのです。

その時の関係から、今回依子が連絡してきたのです。3時間ほどで別荘に到着すると、彼女が出迎えてくれました。

依子から一通り事情を聞き取っていると、背後から近づいてくる口髭の男に気付き驚く愛香。

「久しぶりだね。女探偵さん」と口髭の男。そう、三人目の男は貴族探偵だったのです。

タイムテーブル

その後、現場へと赴いた愛香。捜査担当の宗道刑事から事件の詳細を教えてもらいます。

検視の結果、死亡推定時刻は夜の9時から10時の間。首筋についていた水色のタオルは現場で見つかり、自殺に見せかけた絞殺だと断定されたようで、タオルが替えられていた理由についてはまだ警察も掴んでいないとのこと。

また、被害者が残していた遺書の作成は携帯のタイムスタンプが9時30分を示していたことから明白で、9時から9時半までに来た2通のメールも既読状態になっていたことから、被害者は9時30分まで生存していた可能性が高いというのが警察の見解でした。

さらには、現場に落ちていた氷の解け具合やアルコール臭から判断して、9時から9時45分(特に9時30分前後)が犯行時刻として濃厚だというのです。

そして、その時間帯にアリバイがないのが中妻ただ一人だけ。宗道刑事は口で説明するより簡単だと言ってタイムテーブルが記されたメモを見せてくれました。

9:00 規明、15分程2階で電話を掛ける
9:10 豊、2階から降りてきて友人宅へ出掛ける
9:20 示津子、真由と共に2階の礼人の下へ行く
9:25 中妻、トイレへ行くと言って2階の自室へ戻る
9:30 真由、忘れ物を取りに行くため厨房へ行く
9:35 真由、2階へ戻る
9:40 中妻、リビングに戻る
   豊、友人宅へ到着
9:50 依子、用事を済ますためリビングから自室へ戻る
9:55 依子、リビングへ戻る
10:00 示津子、リビングに降りようとしてアラームに気付き、稲戸井の部屋へ

これを見た愛香は、アリバイがないのは中妻だけであるということに同意しましたが、関係者から生の声を聞いてみたいと調査を続けます。

女探偵の訊問

[豊の証言]

稲戸井と中妻には初めて会ったと豊。被害者が殺された心当たりもないとのこと。

愛香が占いの時の被害者の様子について尋ねると、悪い結果が出たのか急にトンズラしたようだと述べた豊。

そういう結果も伝えなければただのおべっかに過ぎないし、そもそも占いなど信用していないというのが彼のスタンスでした。

アリバイについては宗道刑事が言っていた通りのことを話した豊。犯人の心当たりはと聞くと、そんな仮定の質問には答えられないと述べ、彼への訊問を終えました。

[規明と示津子の証言]

占いの一件は正直怖かったと示津子。規明にとってはどうでも良いことだったようで、もし被害者があれほど落ち込んでいなかったら問い詰めていたところだったとのこと。

愛香がアリバイについて尋ねると、こちらも宗道刑事に述べていたものと違わぬ内容で、裏も取れているものでした。

[真由の証言]

信じてもらえないかもしれないけどという前置きをした上で、中妻とここで出会ったのは全くの偶然だと力説した真由。

気持ちが吹っ切れかけていた所だったので、知っていれば絶対に来なかったはずだと言うのです。それは中妻も同様で、彼は度胸のある男じゃないからと真由。

犯人にも心当たりはないし、中妻がやったとはどうしても思えないというのが彼女の主張でした。

[中妻の証言]

稲戸井を殺したのは僕じゃないと懇願するような目つきで愛香に迫った中妻。殺された理由についても心当たりはないし、犯人ついても何も分からないとのことでした。

稲戸井とは恋のライバルと言えば確かにそうだが、世間が思うようないわゆる恋敵といった関係ではないと説明し、そもそも稲戸井を殺したからといって依子を独占できる訳ではないことを強調します。

特に三人目の男の出現で明らかに彼の序列が下降したことを知っていた愛香は、彼の言うことも最もだと思っていました。

愛香が真由とは何か話したかと尋ねても、特に何もないと話す中妻。もし彼女を疑っているのなら絶対に違うと主張します。

こんな自分を頑張れと励ましてくれたんだからと、それまでの情けなく縋るような仕草とは裏腹に強情なところを見せた中妻を見て、愛香の頭の中はますます混乱していくようでした。

カモフラージュ

愛香の疑問点は二つありました。一つはなぜ犯人は2種類のタオルを使ったかということ。そしてもう一つは、なぜ犯人は手帳を持ち去ったのかということでした。

警察が疑っている通り中妻が犯人だとすると、どちらもする理由がないことなのです。タオルは単なるミスで、手帳はカモフラージュなのか…と愛香が考えていたその時!

彼女の中で全てが一致しました。もし手帳を奪ったのがカモフラージュなら、犯人が占いの場にいたと思い込んでいた自分の考えは間違っていて、そう誘導することが犯人の目的だとしたら…。

全ての疑問点を解消できる人物が一人だけいるのです。

するとそこへ貴族探偵が現れ、私も忙しい身だから早く解決してくれと催促してきました。対して愛香は「もう犯人は解っています」と苛立ちながらも彼に宣言します。

女探偵の推理

皆をリビングに集め、推理を始めた愛香。

まず最初に彼女が主張したのは、中妻は犯人ではないということ。宗道刑事は不本意そうでしたが愛香に先を続けるよう促します。

犯人がタオルを取り違えたのには理由があったと続けた愛香。それは、時間をおいて再び現場に戻って細工をしたからだというのが彼女の考えでした。

入室が一度であれば中妻しか実行可能な人物はいないが、二度に分けてトリックを弄したとすれば…

犯行時刻が9時15分から9時45分の間に絞られたそもそもの理由についても疑問を呈します。氷の解け具合とアルコール臭から特定されたその犯行時刻も、二度に分けて細工をすれば中妻でなくとも十分犯行は可能になるのです。

もちろん携帯のアラームをセットしたのも犯人であるし、それをすることでアリバイがあやふやになることを防ぐ効果(氷の解け具合などで変化してしまうことを防ぐ)を発揮していたのだとか。

そして、それを実行できたものがこの邸内に一人だけいると愛香は語気を強めました。彼女の視線は貴族探偵に向けられ、「あなたです」と断言しました。

それを受けた貴族探偵でしたが、彼は全く動じてない様子でした。君はなぜ手帳が盗まれていたのかを説明出来ていないと愛香の推理の穴を指摘します。

すると貴族探偵は戸口に控えていた料理人に命じ、推理をするよう促しました。

高橋の推理

皆の前にそそくさと現れた料理人は自らを高橋と名乗り、愛香のタオルの解釈にはもっと合理的なものがあると切り出しました。

犯人が二度現場に入ったという考えは正しいものの、それが同じ人物によるものである必要はないというのです。

むしろ別人だったからこそタオルの色を間違えたという方が合理的ではないかというのが高橋の推理でした。

ということはつまり、共犯者がいたということになるのです。

高橋が注目したのはなくなった手帳のことでした。そこに殺意が生まれた原因があるのなら、氷やアルコール臭のトリックはよっぽど事前に準備しない限り補助的なものでしかなり得ません。

そもそも、もしリビングに人が集まっていなければこのトリックも意味をなさなくなってしまうのです。

高橋にはもっと確実な携帯電話という手掛かりがありました。重要なのは、犯人が9時30分に遺書を残しているということ。

犯人の意図は、それ以前から確実なアリバイを持つものを容疑の圏内から除外させることだと高橋は主張します。つまりその除外された人間こそ犯人だということです。

それはつまり、示津子と豊でした。

それを聞いた豊は高橋を怒鳴りつけましたが、彼には明確な根拠があったのです。高橋は被害者が旧字体に基づいて姓名判断を行っていたことに気付いていました。まさにそれがなくなった手帳に記されていた動機だったのです。

礼人の旧字体は…“禮人”。被害者がこの文字を書いた時、あることに気付いてしまったのです。“禮”という字が示津子の“示”という字と“豊”という字で構成されているということを…。

つまり礼人の本当の父親は…とそこまで高橋が述べた所で、「もういい!」と憤怒に満ちた目で豊が制止します。

豊のその表情は、まさに殺人者そのものでした。

『貴族探偵対女探偵』原作小説 第2話「色に出でにけり」感想

『貴族探偵対女探偵』の第2話「色に出にけり」は、金持ち一家の別荘で起きる殺人事件ということで設定としては良くあるものなのですが、依子の存在が普通のミステリとは一線を画しているのではないでしょうか。

一度に3人もの男と付き合い、しかもそれを悪びれもせず家族に紹介するという歪んだ性格の持ち主である依子。まあ歪んでいるのは家族も貴族探偵も同様なのですが…。

その歪みが豊と示津子といういびつなカップルを誕生させ、そうとは知らずに産まれたばかりの息子(と思い込んでいる)を溺愛する規明という何ともグロテスクな構図を生み出しているのです。

さて、話は変わりますが『貴族探偵』からの読者のみなさまであれば、依子に三人目の恋人がいると発覚した時点で、それが貴族探偵であることはすぐにお分かり頂けたと思います。

しかし、そうやって分かってはいたものの実際に登場すると、何だか嬉しくなってしまんですから不思議なものです。いまだに何の素性も明かされていないのに、彼が登場するだけでワクワクするんですよね。

貴族探偵の存在に気付いていた方はさらに、「この料理人ってもしかして…」なーんて思っていたはず。新キャラの料理人・高橋の登場という訳ですが、果たしてドラマではどうなのでしょうか?注目して見てみたい所です!

一方の愛香は今回もまた推理に失敗し、第1話に引き続いて貴族探偵を犯人だと思い込んでしまいました。

彼女の尊敬する師匠の域に到達するにはまだまだ修行必要だなぁと感じさせますが、果たして彼女がきっちり最後まで事件を解決させられる日が来るのかどうか、この点にも今後注目ですね!

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『貴族探偵対女探偵』原作小説 第3話「むべ山風を」ネタバレ

ネタバレを読む前に『貴族探偵対女探偵』原作小説のあらすじをチェックしたい方は以下の記事をどうぞ!

『貴族探偵対女探偵』原作小説の全話あらすじはこちら

恋愛トラブル

刑事は、ゴミの分別を知らなかった“熊本組”の三島と大仁が怪しいと睨んでいましたが、その考えは(異論はないものの)どうもしっくりこないなと感じていた愛香。

彼らに疑いが掛かっていることを韮山が知ると、そんなことをするような子たちじゃないと必死で庇い始めました。

被害者と彼らの間で何かトラブルはなかったかと愛香が尋ねると、彼は厳しく後輩を指導していたので必ずしもないとは言えない…と歯切れ悪く答えた韮山。

何かありそうだったので深く追求してみると、どうやら男女関係のトラブルがあったようでした。

半年前、三島が潤子(第一発見者)に告白したところフラれてしまったことがそもそもの始まりだそう。その時潤子が付き合っていたのが被害者で、三島は恋敵として彼のことを見ていたとのこと。

ところが先週になってあっさり被害者が潤子を捨てて恵と付き合い始めたようで、恵が交際していた院生の原木は捨てられたのだとか。

この一つのエピソードだけで、被害者と原木、三島、潤子と恵が絡み合ってくることから、もしかしたら他にもトラブルの種はありそうだと愛香は思っていました。

上下関係

そういったトラブルにも関わらず、韮山には三島と大仁が犯人ではないという確証があるのだそう。

それは幼い頃から剣道一筋だった被害者の上下関係に対しての厳しさにありました。言葉遣いから上座・下座といった所を頑固なまでに守り通していたのだとか。

韮山が思っていたのは、殺害現場の被害者の位置が下座だったことから、自分より年下の三島や大仁相手にその位置に座る訳がないということでした。

しかし、そうなると容疑者がいなくなってしまうと思った愛香。3つのティーカップや捨てられたティーバッグに関しては犯人の罠とはどうしても思えないのです。

三島と大仁でなければ、犯行が実行可能なのははたった一人…。愛香は貴族探偵を「あなたです」と睨みつけました。

女探偵の推理

「何が何でも私を犯人にしたいようだな」と身じろぎもせずソファにふんぞり返っている貴族探偵。

過去2回の失敗は確かに自分の不手際だが、今回は犯人はあなたしかいないと断言した愛香。早速推理を始めました。

シンクにあったのは水色(男子学生用)、ピンク(女子学生用)、黒(男性来客用)の3種類。そしてゴミの分別を知らなかったこと。

これらのことから田町教授、仁田助手、潤子、原木、三島、大仁の“熊本組”の中から学生である三島と大仁に絞られた訳ですが、ゴミの分別を知らないのは何もこの人たちに限ったものではないというのです。

それは部外者である貴族探偵、田中、そして愛香の3人。しかし、黒のカップがあったことから田中と愛香が除外され、残ったのは貴族探偵ただ一人。

さらには、貴族探偵になら被害者も上座を譲るはずだということで、全てがあてはまるのはあなたしかいないのだと愛香は一気にまくし立てました。

それを聞いた貴族探偵は「だそうだ」と横目で田中を見やります。彼は愛香の推理の穴を指摘しました。

まず学生たちのために自分が紅茶を淹れる訳がないということ。そして、上座を譲るような相手に被害者が茶を注がせるような真似は決してしないだろうということ。そもそも自分はティーバッグの紅茶を飲むわけがないということ。

その指摘に愛香は返す言葉が見つかりませんでした。対する貴族探偵は、興味はなかった事件だがと前置きして、田中に「推理の手本を見せてやれ」と命じます。

田中の推理

重要なのは上座とシンクのティーカップの矛盾をどう捉えるかにあると田中は推理を始めました。

大場が上座・下座の位置関係を間違える訳はないので、間違えたのは犯人なのではないでしょうかと田中は投げかけます。

つまり、殺害後にわざわざ大場を下座につかせたということです。キャスター付きの椅子だったこともあり、移動は容易だったはず。

それに対して反論する愛香。その程度の偽装では警察がスルーしてしまう可能性もあると。

その考えは最もだと述べた上で、偽装について考えていきましょうと田中。一般的に分かり易く偽装をしたいのなら、例えば別人のティーカップを残しておくといった方が簡単で効果的。

ここで田中が一つの可能性を示します。ティーカップを戻した人物が必ずしも犯人であるとは限らないということを。

もし、第一発見者の潤子に先んじて被害者を発見したものがいたとして、そこに自分を指し示すような証拠が残されていたら…普通は片づけてしまうものですよねと田中。

例えば、潤子と一緒に被害者を探していた恵。彼女がもしその場に遭遇したら…。断水で水は出ない…咄嗟にカモフラージュのために他のカップもシンクの中に浸けておく…。こんな流れが想像できるというのです。

しかし、それでは死体を移動させたことの説明になっていないと愛香。確かにその通りだと田中。となると犯人が被害者を移動させたことに上座・下座は関係ないということなのです。

その言葉で愛香は全てを悟ったようでした。被害者を移動させた理由が床に落ちたティーカップにあるということを。

下座に残されたソーサーは実は犯人のもので、何らかの理由で落ちて割れてしまった。だから被害者を移動させたのです。指紋を付け、あたかも最初からここに居たように見せかけるために。

ということは若竹色のカップを使用し、そしてゴミの分別を知らなかった“熊本組”の人間…そう、犯人は原木しかいませんでした。

動機は恋愛トラブル。恵にフラれ、その恵は大場と交際を始めた。そのことに激高した原木が被害者を手にかけ、しかも罪を恵に着せようとしたというのが事件の真相でした。

『貴族探偵対女探偵』原作小説 第3話「むべ山風を」感想

『貴族探偵対女探偵』の第2話「むべ山風を」は、冒頭から愛香と貴族探偵が対面している状態から始まるという、今までにない新しい形の物語となっています。

毎度のごとく一捻りも二捻りもされたプロットには舌を巻くばかり。偽装工作をしたのが犯人ではないっていう所がまた効いていて、それがあるからこそ事件に複雑な奥行きをもたらしているのでしょう。

さて、第2話でバラに興味がある(バラの展示会で依子という女性と出会った)ことが判明した貴族探偵でしたが、今回はなんとキノコを見るためにわざわざ大学までやって来たというのです。

どうやら植物関連のものに興味があるのでしょうか…。少しだけですが、彼の人となりが分かったような気がする一場面だと思います。

さて、今回最も興味深いのはメイドの田中ではないでしょうか。途中愛香と話が盛り上がり、プライベートなことまで話が及ぶというのは使用人の中では初めてですね。

しかも田中が好きなのがパンクバンドというのですから意外なものです!愛香は何となく想像はつくのですが…。

その愛香の肝心の推理はまたも失敗してしまいました。3度目の貴族探偵犯人説を持ち出してきた彼女でしたが、さすがにもうトホホ…といった感じですね~。

果たして次のお話でも貴族探偵が犯人だと推理してしまうんでしょうか?!それとも今度こそビシーっと決めてくれるんでしょうか?!乞うご期待!!!

『貴族探偵対女探偵』原作小説 第4話「幣もとりあへず」ネタバレ

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『貴族探偵対女探偵』原作小説の全話あらすじはこちら

初動捜査

愛香の頭を悩ませていたのは、この別館の構造でした。いづな様の湯への闖入者を防ぐために窓が嵌め殺しになっており、外部からの侵入が不可能になっているのです。

そして、外へと通じる扉の鍵は夜9時に女将によって施錠され、翌朝6時に開錠されるまで奥館は完全な閉鎖状態になっているのです。

逃げ出すチャンスは女将が朝に開錠しに来た時だけだが、その時はすでに土砂崩れが起きており、実際犯人が逃げようとして戻って来たのか、玄関には真新しい靴痕が残されていました。しかし、泥水でいじくられており誰のものかまでは判別できない状態。

手始めに被害者の部屋を調べてみるも、金品も無事なようで、金目当てではなさそう。愛香は一人一人呼び出して、事情を聴くことにしました。

事情聴取

[平野紗知の証言]

10:00 温泉へ行く
10:20 部屋に戻る
10:30 同室の香苗が温泉へ行ったのを見届ける
10:50 香苗が部屋に戻って来る

香苗が部屋に戻って来た時、びっくりした顔をしていたということを話してくれた紗知。なんでも、彼女が脱衣所を出た時に田名部優紀と赤川和美が部屋でヒソヒソ話をしているのを見たのだそう。

その後1時に就寝するまで、香苗が11時過ぎに、紗知が12時前に、それぞれトイレに行ったそうで、特に気になることはなかったと紗知は証言しました。

[下北香苗の証言]

彼女の証言は紗知のものとほぼ一致し、トイレに行った時刻も間違いないようでした。

肝心の赤川和美と田名部優紀の件について訊ねると、聞き耳を立てていた訳ではないので話の内容までは分からないが、2人が会っていたのは確かだと香苗は証言しました。

[金谷沢広成・有戸秀司の証言]

同部屋の有戸とは会話をすることもなかったようで、入浴の時間までは布団で読書をしていたと金谷沢。一方の有戸はスマートフォンをいじっていたのだそう。

9:00 入室
11:40 金谷沢、トイレへ行く(約5分)
12:00過ぎ 有戸、トイレへ行く(約5分)
12:30 有戸、温泉へ行く
12:40 有戸、部屋へ戻る
12:45 金谷沢、温泉へ行く(最後だったので入れ替わりで行った)
1:00過ぎ 金谷沢、温泉を出る

その後、彼が部屋に戻ると、すでに有戸が眠っていたので、ほどなくして自分も就寝したのだそう。

続いて事情を聴いた有戸は終始不機嫌な様子でしたが、大筋で金谷沢の証言と一致しており、特に気になるようなことはありませんでした。

[赤川和美の証言]

温泉に入る以外はずっと部屋にいたという田名部に、香苗の目撃証言について訊ねた愛香。

今まで平静を装っていた和美でしたが、その質問をした瞬間、鼓膜が破れんばかりの大声で否定しました。

被害者とは昨日会ったばかりで、誰かが自分を陥れるために嘘をついているのではないかと主張しました。

誰がそんなことを言っているんだと問い詰めてきたので、これ以上は逆上させるだけだと思い、愛香はここで聴取を打ち切りました。

新情報

その後、昨晩12時頃に奥館で電話を使ったものがいるらしいという情報が入ります。奥館の電話は一度本館を経由するので、通話記録が残っているため女将がそれに気付いたのだそう。

しかし、誰に尋ねても使ったものは判明しません。愛香は女将に正確な時間を尋ねると、12時から12時15分頃のことで、回線がつながっていないのでどこに掛けたかまでは分からないようでした。

愛香は、女将が覚書に使用していたメモ帳を見てあることを思いつきました。宿の名前が記されたメモ帳だったので、もしや電話台にもあるのではと睨んだのです。

案の定、メモ帳はそこにありました。当然何も書いていない真っ新な状態でしたが、一枚一枚はがせるタイプのため、次の紙にペン痕がしっかりと残っていたのです。

そこに記されていたのは、ある地名と時刻でした。古町通という名の地名と番地。時刻は17時。愛香の頭の中にあったのは、確か有戸が働いているショット・バーが古町通だったはずだということ。

このメモが確実に昨晩書かれたものであるとは証明できないものの、床の間に飾られた熨斗袋と照らし合わせれば確認はさほど難しいものではありません。

そして判明したのは、このメモが被害者の筆跡であるということでした。

タイムリミット

愛香の中では実はすでに犯人が一人に絞られていました。該当する時間にトイレに行ってなおかつ、浴場に入っても怪しまれない同性の人間であると。

しかし、電話とメモの件が明らかになったことによって、愛香の思っていた犯人に決定的なアリバイが生じてしまったのです。

愛香は女将に改めて奥館のドアの鍵について訊ねましたが、外部からの侵入はやはりなさそうでした。各部屋の窓の立て付けなども一応見てみたものの、どこも異常はありません。

すると貴族探偵が、2時までに佐藤という運転手が携帯電話届けに来ると愛香に伝えました。圏外だから使えないでしょうと聞くと、衛星電話だから問題ないと貴族探偵。

警察が来られないほどの土砂崩れの中をここまで来るのかと尋ねると、佐藤ならそうすると貴族探偵は答えます。つまり君の推理のリミットは2時だというのです。

ひとしきり言い合った後、リミットが迫っている愛香は座り込んで考えました。もう一人いたら犯行が可能なのに…例えばいづな様が…

複数犯…これは愛香に常々抜けていた視点でした。もしかしてこの事件も…。

女探偵の推理

しばらくすると玄関の騒がしい様子に気付いた愛香。見に行くと身の丈2mはあろうかという巨漢の男が立っていました。

「思ったよりも早かったな、佐藤」と貴族探偵。これでタイムリミットが早まったぞと愛香に嫌味たらしく告げます。

それに対し、もう犯人は解っていると愛香。早速皆の前で推理を始めました。

まず愛香が気になっていたのは、被害者が何の抵抗もなく背後から撲殺されていたこと。おそらく相当血が飛び散ったはずなのに、血痕が一切発見出来なかったのは、殺害時に被害者が入浴中であったということです。

となると、犯人は被害者に不審がられることなく浴場に入ることの出来る人物…つまり犯人が被害者と同性であることは間違いありません。

これで犯人は2人に絞られると愛香。12時15分まで被害者が電話を掛けていたことが分かっているため、温泉に入ったのはその後と考えられます。

容疑者として見られる有戸は12時15分以降の、金谷沢は12時以降のアリバイがそれぞれ成立しており、困ったことに犯人はいなくなってしまうのです。

しかし、ここには重要なファクターが抜けていると愛香。外部からの侵入は不可能に思えますが女将なら鍵を開けられるのだと主張しました。

鍵さえ開けば浴場に入れる人間がもう一人増えることになると続けます。つまり共犯者がいたと。

そして貴族探偵を「あなたが犯人ですね」と睨みつけました。

対する貴族探偵は憤慨していました。犯人扱いされたということよりもむしろ、男と一緒に風呂に入る趣味などないとそっちの方に怒りを覚えていたようです。

馬鹿馬鹿しいと愛香の推理を切り捨て、佐藤に推理をするよう促しました。

佐藤の推理

愛香は大きな勘違いをしていると佐藤は切り出しました。殺されたのは田名部ではなく赤川和美なのだというのです。

互いに名前を交換してこの場所を訪れた優紀と和美。田名部優紀が赤川和美を名乗り、赤川和美は田名部優紀を名乗った…

つまり、黒髪の女性が田名部優紀で、パーマの男性が赤川和美ということのようです。そして殺されたのが赤川和美。

おそらくネットの盛り上がりを見て怖くなったのだろうと佐藤。性別を誤認されているとはいえ、本名とこの場所を匂わせる表記(山梨のイズモ)も知れ渡っていたため、一計を案じたんだろうということでした。

「そうでございますね、田名部様」と佐藤が視線を送ると、唇を噛み、只々両肩を震わせるだけの田名部(皆が赤川和美だと思っていた女性)。

愛香も誤解しているように、有畑しずるの恋人が女性で同性愛ということを隠していたために、田名部優紀だと名乗った男性を本人だと誤認してしまったというのが事の真相のようでした。

入れ替わりということまでしてこの宿に来たからには、真剣に願いを叶えたいという気持ちがあった訳で、となると熨斗袋に代筆を頼むとは到底考えられません。

つまり電話のメモは被害者のものではなく、本物の田名部優紀のもの。これが意味するのは、被害者が12時15分まで生きていたということにならないということです。

つまり、被害者が殺されたのは浴場にいた時間(12時~12時半)。ということは12時5分頃までトイレに行っていたと言ってアリバイのない有戸秀司が犯人だと佐藤は指摘しました。

すると有戸はポケットからジャックナイフを取り出し、復讐を最後までやり遂げようと本物の田名部へと向かっていきます。

その企みなど予測済みだと言わんばかりに素早く佐藤が行動に移り、田名部との間に入り、ナイフを叩き落として首筋に手刀を叩き込み気絶させました。

「往生際が悪いのも困ったもんだ」と貴族探偵。そもそも有戸は復讐さえ果たせれば逮捕も辞さないと考えていたので、田名部と赤川が入れ替わっていなければものすごく簡単だったこの事件。

またしても犯してしまった失敗に愛香は打ちのめされるのでした。

『貴族探偵対女探偵』原作小説 第4話「幣もとりあへず」感想

湯浴みをすると“いづな様”が願いを叶えてくれるという金田一耕助シリーズのようなオカルトチックな内容の『貴族探偵対女探偵』の第4話「幣もとりあへず」。

土砂崩れで警察は来られないという典型的なパターンのミステリにも関わらず、被害者そのものが実は別人と入れ替わっていたことで、難事件へと発展しまうところがまた面白いのですが…。

実はこの作品、あらすじでは分かり難い(というよりも表現できない)のですが、活字ではないと体験できない叙述トリックによって構成されているのです。(※本あらすじ及びネタバレは、あくまで愛香の視点に基づいて構成されておりますのでご注意下さい。)

おそらくこれを読んだ方の大半が、「誤植か?!」と思うほどあっと驚かされたのではないでしょうか。

前作『貴族探偵』の第3話「こうもり」でも同様のテクニックを披露していますが、今回のはかなり分かり難くて、注意して読まないときっとこんがらがってしまうはず。

読者は死んだのが赤川和美であるということが分かっているのですが、愛香たち(犯人を除く)は死んだのが田名部だと思っているという、このアンジャッシュのコントのようなズレがず~っと続くことで、最後の最後でとてつもないドンデン返しが起きるのです。

これを一回で理解出来た方はなかなかいないんじゃないかと思います。(2回目でも怪しいくらいです…)

そして、今回の愛香はというと…またまたいつも通りの結果…。「何を寝ぼけたことを口走っているんだ」と貴族探偵に言われてしまうんですが、本当にその通りで、読んでいても「それはないだろ~」と思ってしまうような推理を展開させてしまいました。

愛香曰く、論理的思考によって辿り着いた結論であり、貴族探偵への個人的感情に左右されている訳ではないと豪語していますが…。能力不足なのはもはや明らかです。

次の第5話でラストなのに大丈夫か?と心配ばかりが募りますが、最後くらいビシッとやってくれるはず…と期待しないで臨みたいところですね。

『貴族探偵対女探偵』原作小説 第5話「なほあまりある」ネタバレ

ネタバレを読む前に『貴族探偵対女探偵』原作小説のあらすじをチェックしたい方は以下の記事をどうぞ!

『貴族探偵対女探偵』原作小説の全話あらすじはこちら

新たな犠牲者

孤立していることでパニックを起こされてもらっては困ると考えた愛香は、皆を落ち着かせようとリビングへと集めました。

しかし、まだ葉子と奈和が起きてきていないことに依子が気付きます。おそらくこの中に犯人がいることは間違いないと思っていた愛香でしたが、外部犯という可能性も捨てきれないため、彼女たちを起こしに単独別棟へと向かいました。

最初に奈和の部屋をノックすると、起きていたのかすぐに顔を出しました。事情を手短に説明すると、顔面蒼白になってへたり込む奈和。

これから葉子の部屋に行くので、一人でリビングに行くよう伝えましたが、恐怖のためか、一緒に行くと言って譲りません。

それならばと葉子を連れてくるから、それまで自室で待っているよう言い含め、いざ隣の部屋へと向かいました。

ノックをしてみたものの返事はありません。試しにノブを回してみると、鍵が掛かっていなかったらしくすんなりとドアは開きました。

ぷんとタバコの臭いが鼻腔を刺激し、中へと入っていくと、そこには変わり果てた姿の葉子が横たわっていました。思わず駆け寄って脈をとるも時すでに遅し。

ふと振り返ると、口に手で覆ったまま絶句した奈和が愛香に倒れ掛かってきました。咄嗟に肩を貸してとりあえずリビングへと連れて行きます。

何とか奈和を座らせた後、事の次第を皆に報告すると「そんな…先輩が…」と声を失った様子の佳久。周りの人間はただうつむいただけでした。

現場検証2

事件を解決すべく、依子を引き連れて再び葉子の部屋へと戻り、現場検証を行います。

被害者:有岡葉子
現場:葉子の自室(入ってすぐのカーペットの上にうつぶせの状態で発見された)
死因:後頭部を鈍器で殴られたことによるもの(2箇所ほど打撲痕あり)
凶器:発見されず
死亡推定時刻:夜10時~12時の間

発見した順序は平田が先だが、遺体の状況から先に殺されたのは葉子の方だということで間違いなさそうでした。

愛香は、指紋を発見する特殊なLEDライトを使い、室内を調べます。すると、おかしなことにテーブルやドアには一切指紋がないのに、寝室にはベタベタと残されていました。しかもユニットバスは洗面台だけが綺麗に拭き取られていたのです。

このことから愛香は、犯人が当初は殺すつもりがなかったのではと推測しました。だからこそ、最初素手で部屋に入ってきて、自分が触れた可能性のある場所を拭き取ったのではないかと睨んだのです。

またティーカップにも使われていた形跡があり、どうやら葉子が犯人をもてなしていたと考えられました。

奇妙な手掛かり1

他にも手掛かりはないかと隅々までLEDライトを照らすと、指紋ではないものの奇妙なものを2点発見した愛香。

一つ目は、テーブルの隣にある小さな鏡台。ライトを近づけると木目の部分に液体が跳ねたような茶色い染み(約2cm)が見つかり、さらにそのすぐ下には灰皿があり、その底にわずかに紅茶が残っいたのです。

灰皿の中にはもちろんタバコの灰や吸い殻などは入っていない(葉子はタバコを吸わない)が、部屋に入った時明らかにタバコの臭いがしていたので、一体これがどう関係してくるのか現時点ではまだ愛香には判断が付きませんでした。

奇妙な手掛かり2

二つ目は、室内に飾ってあるバラ。ただし、これに気付いたのは愛香ではなく、バラに詳しい依子でした。

そのバラを見た依子がふと「私の部屋とは種類が違うわね」と言ったのです。花瓶はどの部屋も同じでしたが、葉子の部屋に飾ってあったのは“ゲルリッツ”という品種のものだそう。

依子の部屋は“Sミンデン”というものが飾ってあるらしく、愛香の部屋のものも見てもらうとこちらは“シュリーレン”という品種だと依子が教えてくれました。

おそらく、ちょっとした遊び心で平田が部屋ごとに変えていたのだろうと思っていた愛香でしたが、肝心な奇妙な点というのはその花の向きです。

飾られているのは部屋の三か所の角で、約2mほどの高台。しかし、この部屋は多くのバラが部屋の隅を向いてしまっているのです。

依子に確認すると、自分の部屋は当然中央を向いていたと答えました。愛香の部屋を調べても同様に中央をしっかりと向いています。

一体どういうことなのかと考えながらテーブル脇の椅子に腰掛けた瞬間、あることに気付いた愛香。座面が湿っているのです。

臭いはなくどうやら水のよう。他の箇所も調べてみると、椅子の背やドアの入り口近くも湿っていることが判明します。さらに部屋の外に出て廊下に出てみると点々と濡れた痕を発見した愛香。

それを辿っていくと、テラスへと辿り着きました。犯人はどうやらウミガメの産卵を見るためにテラスに出ていたようです。土砂降りだったのでレインコートも使わずに。

バラの花

多くの手掛かりを得たためにバラバラになってしまった思考を整理してみようと考え込む愛香。

犯人はまず葉子を手に掛け、次に使用人の平田を殺害した…。しかし間に1時間以上もの時間が経過しているのは何故なのかが彼女の思考の焦点でした。

全員が早めに就寝していたため(ウミガメの産卵に備えて)、事前に確認したアリバイは全く役に立ちません。

誰かテラスに出たかとも尋ねましたが、誰一人手を上げる者はいませんでした。ということはつまり、テラスに出た人間こそ犯人であるということは間違いなさそう。

煮詰まってきた愛香が、ふとリビングに飾ってあったバラの花を眺めていたその時!彼女の脳裏にある仮説が浮かび上がってきました。

もしかしすると、平田が殺されたのはどの部屋にどの品種のバラを飾ったかを知っていたからではないか…。その考えは、愛香の推理に差し込む一筋の光明となったのです。

愛香の推理1

皆の前で「犯人は解っている」と宣言した愛香。そして犯人はこの中にいると断言しました。

まず、昨晩葉子の部屋を何者かが訪れたと愛香は切り出しました。きっかけは夕食の時の葉子の話、轢き逃げの話です。

彼女が昨日の時点ではっきりと思い出すことが出来たのは、雨のおかげということともう一つ、この中にその轢き逃げ犯がいたからなのです。

当初口止めを頼むつもりが、口論になり、殺害したというのが事の成り行きだろうと愛香は推理しました。しかし、計画性がなかったためか多くの手掛かりが現場には残されていました。

重要な点の一つは、レインコートも着ずにテラスに出ていたということ。その理由を愛香はこう推測しました。それは、他人の誰が来たのか分からないようなものに袖を通したくなかったからだと。

それならば濡れる方がマシだと考える人物、そういう人物を一人知っていると愛香。

そして次に鏡台の木目に付いた紅茶の染み。これはコッタボス(杯に入ったワインの中身を遠くの盃めがけて飛ばして入れる古代ギリシャの遊戯:第3話で貴族探偵が行っている)が失敗したもので、さらにタバコを吸い、携帯灰皿を使っている人物…

これらのことを総合すると…葉子の部屋にいたのはあなたですねと、愛香は貴族探偵に視線を向けました。

愛香の推理2

その言葉に「まさか」とにべもなく否定した貴族探偵。しかし、愛香は探偵生命に賭けても昨晩あなたはあの部屋にいたと断言しました。

しかし、ここからが推理は違った方向へと進んでいきます。貴族探偵が部屋にいたことは間違いないが、同時に犯人ではないと愛香は言うのです。

貴族探偵はずっと葉子の部屋になど行っていないと主張していたが、それはある意味では正しいと愛香は続けました。

貴族探偵が行ったと思い込んでいたのは、葉子の部屋でなく犯人の部屋だというのです。

そもそも犯人が葉子を殺したのは、自分の部屋。つまり殺害もその場で行われたため、なんとしても移動させなくてはならないと考えた犯人。

ひとまず葉子の部屋の様子を確かめようと彼女の部屋を訪れ、そこから出た所で貴族探偵に出くわします。このまま素通りする訳にもいかず、ずぶ濡れの貴族探偵を葉子の部屋(自分の部屋と偽り)に招きました。

それを大人しく聞いていた貴族探偵は「なるほど、そうやって偽られた訳か」と感心するように言葉を発しました。

そして、その時に貴族探偵がバラについての話を持ち出します。どの部屋も品種が違うということを。その会話がきっかけで犯人がバラを交換しなければならないと同時に、平田を始末しなくてはならないことに気付いたのです。

それに対し、「私を殺した方が早かったんじゃないかね」と貴族探偵。

私もそう思うと愛香。しかし、犯人の無意識下に植え付けられた階層意識がそうすることを拒んだんだろうと彼女は推測します

そしてその犯人とは…「奈和さん、あなたです」と愛香は告げました。

エピローグ

事件は解決したものの、事後処理のために具同一族と貴族探偵は残るんだそう。愛香も探偵としての責任から残ろうとしましたが「政治的な問題だから」と貴族探偵から跳ね除けられました。

別れ際に、今までは失敗続きだったが今回は私の勝ちだと愛香は貴族探偵に告げ、これからは“女探偵”でなく“探偵”と呼んで欲しいと求めました。

するとそれを聞いた貴族探偵が突然笑い転げるのです。「君は一体誰に雇われたと思ってるんだ」と。

依子だと思っていた愛香が彼女の方を見ると、彼女は無情にも首を振ります。

そう、愛香は貴族探偵の臨時雇いの使用人として使われていただけなのです。「君が使用人としてある程度使えることは分かったから、また機会があったら依頼させてもらうよ」と貴族探偵。

「お断りします!」と船上から絶叫した愛香の言葉は大海原にかき消され、貴族探偵に届くことはありませんでした。

『貴族探偵対女探偵』原作小説 第5話「なほあまりある」感想

『貴族探偵対女探偵』の第5話「なほあまりある」は、前作『貴族探偵』から続くシリーズの最後を飾るにふさわしい作品となっています。

なんといっても注目は女探偵・愛香が見事に事件を解決することでしょう。しかも貴族探偵には使用人が一人も付いていないという特殊な状況なのです。

これまでの4話が大きな大きなフリであったかのように、コッタボス(第3話)や携帯灰皿(第4話)という点を指摘しながらまたしても貴族探偵を犯人として名指しするかと思いきや…!

ここから先が愛香の成長の表れでした。私情を交えず、論理的に推理を組み立てて、見事にたった一人の力で事件を解決へと導いたのです。

しかし、やはり貴族探偵の方が一枚上手でしたね。そもそも、貴族探偵がこの依頼を愛香にしていたということが最後に分かるのですが、端からからこうなることを予見していたとしか思えません…。

つまり、使用人を連れてこなかったのではなく、愛香という新しい使用人を手に入れていたということなのです。

これまでの4度の出会いも、もしかしたら亡くなった師匠の代わりに貴族探偵が愛香を鍛え上げていたのかなとも思えるのですが、もちろん貴族探偵本人はそんなことは認めないでしょうね。

いずれにしても、最後まで素性を一切明かさなかった貴族探偵ですが、この秘密のヴェールに包まれた姿のままでいることこそが彼の最大の魅力なのかもしれません。

ドラマでは、嵐の相葉雅紀さんがどう演じてくれるのか…。目が離せませんね!

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